プロテインで筋トレ効果、おすすめの摂取方法

筋トレといえばプロテインが思い浮かぶという方は多いと思いますが、本当に必要なのか、効果はあるのかなど気になることもあるでしょう。プロテインの重要性と効果的な摂り方を解説します。

そもそもプロテインってなに?
プロテイン(Protein)は英語で「タンパク質」を意味し、ギリシア語の「一番大切なもの」が語源です。タンパク質は三大栄養素の一つで、体にとって欠かせないものです。市販されている「プロテイン」は、タンパク質を効果的に補給できるように構成されている栄養補助食品のことを指します。

タンパク質の役割
タンパク質は体の組織をつくる大事な栄養素の一つで、筋肉や髪、肌などの材料はもちろん、体のエネルギー源にもなります。

筋トレにプロテインは必要?効果的といわれるのはなぜ?
新しい筋肉を作るためには、その材料となるタンパク質を適したタイミングで必要量を摂取することが大切です。プロテインは効率よく摂取できるので、筋トレをしている方には必需品といえます。

筋肉が発達する仕組み
強い負荷(刺激)のトレーニングは筋肉を疲労させ、傷つけますが、適切な栄養補給・休養(睡眠)を与えることで前回と同じ刺激に耐えられるように修復され、少し太くなります。これを「超回復」といいます。

このとき、同じ強度・負荷でトレーニングを続けていると筋肉が重量に慣れてしまい、負荷をかけても刺激が入りにくくなります。そのため、徐々にトレーニングの強度・負荷を上げる必要があります。

レーニングだけではなく、タンパク質をはじめとする栄養摂取や運動後の休養をバランスよく管理し、定期的に繰り返すことで筋肉は発達していきます。

筋トレ時に必要なタンパク質量は?
レーニング時には、トレーニングをしていないときと比べて筋肉の材料となるタンパク質の必要量が増加します。この必要量は、運動内容と強度、自身の体重に合わせて計算することができます。

運動内容・強度
体重1kgあたり必要なタンパク質量(g)
スポーツ愛好者(週4~5日、30分程度)
0.8~1.1
筋力トレーニング(維持期)
1.2~1.4
筋力トレーニング(増強期)
1.6~1.7
持久性トレーニン
1.2~1.4
断続的な高強度トレーニン
1.4~1.7
ウエイトコントロール期間
1.4~1.8
出典:樋口満 著編, コンディショニングのスポーツ栄養学 新版, 市村出版, 2007, p63

それでは筋肉を強化したいときに必要なタンパク質を単一食材で摂取した場合、一日当たりどのくらいの量になるのでしょうか。

男性70kg、女性50kgとしたとき、普通の生活と筋力トレーニング期(係数は1.7を使用)を比較した例を以下の表でご紹介します。

食材名
筋力トレーニング(増強期)
普通の生活
男性
(約120g*1)
女性
(約85g*1)
男性
(約60g*1,/sup>)
女性
(約50g*1)
牛乳
約3600ml
約3600ml
約1800ml
約1500ml
木綿豆腐*2
約1800g
約1800g
約900g
約750g
サーロイン
約1000g
約1000g
約500g
約430g
出典:2010オールガイド五訂増補食品成分表、実況出版

*1:それぞれに必要なタンパク質量
*2:木綿豆腐1丁…約300g~400g

タンパク質を豊富に含んでいる食材は、同時に脂質も多く含んでいることがあるのでカロリーオーバーにならないよう注意が必要です。また、単純に食事量が多くなるため食べるのが大変ということもあるでしょう。

プロテインのメリットの一つは、さまざまな種類・フレーバーが発売されているため好みのものを選びながら、脂質を抑えて必要なタンパク質量を手軽に補えるということです。あなたの目的に合ったプロテインを選び活用してみてください。

正しいプロテインの摂取方法
プロテインを体づくりに有効活用するためには、どんなタイミングで、どのような種類を摂るのがよいのでしょうか?

プロテインを摂取する適切なタイミングとは
目指す体型を実現するためには、摂取するタイミングが非常に重要です。
強靭な筋力・体を手に入れたいときは、体への栄養吸収率が高まるトレーニング後30分以内に、ウエイトアップしたいときは食事と併用し食後や補食にプロテインを摂ってみましょう。健康維持のため、栄養バランスを整えたいときには食事前後、または疲労回復したいときは就寝前が適しています。
詳しくはこちら「プロテインを飲むタイミングはいつがベスト?」

プロテインは1種類じゃない!?
プロテインには、ホエイ・カゼイン・ソイと大きく分けて3つの種類があります。

ホエイプロテイン
プロテインといえばホエイプロテインを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?ホエイとはヨーグルトの上澄みにできる液体のことをいいます。体への吸収が素早く行われるため、トレーニング後の筋肉の修復に適しています。

カゼインプロテイン
ホエイプロテインと同じく、牛乳を原料としています。ホエイプロテインが水溶性で吸収が早いのに対し、カゼインプロテインは乳酸菌の働きにより固まる性質があるため、体への吸収はゆっくり行われます。

ソイプロテイン
大豆のタンパク質部分だけを粉末化したもので、糖質・脂肪が少なく植物性タンパク質を効果的に摂取できます。

3種類のプロテインまとめ
ホエイ
牛乳(乳清)
高強度・筋トレ直後の補給
素早い
カゼイン
牛乳
日常のタンパク質補給
ゆっくり
ソイ
大豆
ダイエット・健康維持
ゆっくり
プロテインを飲むと太る?
プロテインはタンパク質を効果的に摂取するための栄養補助食品であり、筋肉増強剤ではありません。トレーニング量に合った適切な量を摂っている場合は問題ありませんが、一度に必要以上のタンパク質を補給してもエネルギー過剰となって太ってしまうことも考えられます。

ご自身の運動量・食事量を把握したうえで、プロテインの種類・飲むタイミングに気を配るなどの工夫をしてみましょう。

筋トレに効果的な食事
筋トレの効果を出すために、食事の内容・質にも気を付けましょう。通常の食事ではバランスよく食べることはもちろん、タンパク質を含むおかずを取り入れてみてください。その際、動物性タンパク質と植物性タンパク質を組み合わせると、アミノ酸のバランスがとれて良質な筋肉の形成に役立ちます。

タンパク質を筋肉に合成するためには炭水化物(糖質)の摂取が必要です。糖質を同時に摂取することでタンパク質の吸収を高める働きが期待できます。糖質を摂取したときに分泌されるインスリンは新しいタンパク質作り(筋肉の合成)を促進し、筋肉の分解を抑制すると考えられています。体を引き締めたいときでも過度な炭水化物カットはかえって逆効果となる可能性があります。

また、トレーニング開始前にはエネルギー源となる糖質と水分を補給しておきましょう。おにぎりやバナナなど消化の良いものがおすすめです。オレンジジュースなどでも十分な糖質が補給できます。

レーニング終了後は30分以内にプロテインの補給を行ったうえで、できるだけ早くタンパク質と糖質を含む食事を摂取しましょう。トレーニングと食事の間隔が短いほど、筋肉作りに有効と考えられています。