皮下脂肪・内臓脂肪とは?中性脂肪が原因⁉︎効果的な減らし方
「中性脂肪」「内臓脂肪」「皮下脂肪」という言葉はよく耳にするかと思いますが、それぞれについて理解している方は少ないかもしれません。
どれも「脂肪」なので、良くないイメージはあるものの、どうやって減らせばいいのかも分からない方も多いでしょう。
中性脂肪と内臓脂肪と皮下脂肪の違い、中性脂肪が内臓脂肪や皮下脂肪に変わるメカニズム、中性脂肪を減らす健康法について解説します。
内臓脂肪と皮下脂肪が増える順番は?中性脂肪が原因?
皮下脂肪は体の上からさわってやわらかい脂肪、内臓脂肪はその内側についている脂肪、その程度のイメージを持っている方がほとんどかもしれません。
では、中性脂肪って何? という方も多いでしょう。
それぞれの定義と特徴は次の通りです。
定義
特徴
中性脂肪
血液中の脂肪
内蔵脂肪、皮下脂肪のもとになる
内臓脂肪
内臓のまわりに蓄積した脂肪
蓄積しやすいが、消費しやすい
皮下脂肪
皮膚の下に蓄積した脂肪
蓄積しにくいが、消費しにくい
そして、内蔵脂肪は女性よりも男性につきやすく、皮下脂肪は男性よりも女性の方がつきやすいという傾向があります。
内臓脂肪・皮下脂肪がつくメカニズム
内蔵脂肪も皮下脂肪も、血液中の中性脂肪が過剰になることが原因で体につきます。
中性脂肪は食事によって吸収されることで生成される「外因性」と、肝臓から再び血液中に分泌されることで生成される「内因性」に分かれます。
中性脂肪は体を動かすためのエネルギー源となりますが、消費されずに余ってしまうと内臓脂肪、皮下脂肪になります。また、中性脂肪は血液中にたまると動脈硬化、肝臓でたまると脂肪肝になる危険性が高まります。
中性脂肪の基本
それでは、内臓脂肪、皮下脂肪の原因になる中性脂肪についてもう少し理解を深めましょう。
中性脂肪とは脂肪の一種です。
英語名では「トリグリセライド」「トリグリセリド」と呼ばれることもあります。
基準値・高値
項目
基準値
高値で疑われる病気
TG
〈ティージー〉
中性脂肪
30~149mg/dL
閉塞性黄疸、脂肪肝、高脂血症、糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、肥満など
中性脂肪は基準値よりも高いことで様々な疾患を招きますが、低すぎるのも問題です。中性脂肪が少ないと、体温調節が上手くいかずに低体温、末端の冷えなどの症状を引き起こすからです。
中性脂肪を増やし過ぎないことはもちろん、過度なダイエットなどで減らし過ぎないように注意しましょう。
また元来、中性脂肪は内臓周囲にある腸間膜や大網、腹膜につきやすい=内臓脂肪になりやすい特徴があります。
とはいえ、人それぞれ、内臓脂肪が溜まりやすい方、皮下脂肪が溜まりやすい方がいます。
内臓脂肪と皮下脂肪の見分け方
内臓脂肪と皮下脂肪の見分け方としては、次の3つがあります。
・体型
・腹囲、ウエスト
・CT画像
見分け方➀ 体型
まず簡単な見分け方として、体型で判断することできます。
内臓脂肪型
へそ周りがぽっこりしていて腹筋の内側、腸などの周りにつく脂肪は内臓脂肪が多いと言われています。いわゆる「リンゴ型体型」とも表現されます。
皮下脂肪型
下半身太りといわれる下腹部やおしり、太ももに脂肪がつきやすいタイプは皮下脂肪が多いといわれています。いわゆる「洋ナシ型体型」とも表現されています。
必ずしもどちらか一方に当てはまるわけではない
体型だけでは、自分が内蔵脂肪型なのか、皮下脂肪型なのか分からない方もいるでしょう。
必ずしもどちらかに当てはまるわけではなく、両方のタイプに当てはまる可能性もあります。
体型で分かるのは、あくまでも目安であると心得ておきましょう。
見分け方② 腹囲・ウエスト
腹囲の大きさで、内蔵脂肪型、皮下脂肪型を見分けることもできます。
ウエスト周囲径・男性
85cm≦
ウエスト周囲径・女性
90cm≦
腹囲が、男性は85cm以上、女性は90cm以上あると、内臓脂肪型肥満の可能性が高いと言われています。女性は皮下脂肪がつきやすいため、男性よりはゆるめの基準になっています。
腹囲は問題ない方はBMIをチェック
内臓脂肪型肥満に当てはまらない場合、BMIを確認しましょう。
BMIとは、ボディマスインデックスの略です。
BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMIが25以上あると皮下脂肪型肥満の可能性があるので、注意しましょう。
CT検査
内臓脂肪型or皮下脂肪型を見分けるのに、最も確実なのがCT(コンピュータ断層撮影)検査です。
CT画像をみれば、どちらの脂肪が多いのかは一目瞭然ですよね。
また、CT(コンピューター断層撮影)検査で、へその高さの内臓脂肪の面積が100㎠以上ある方は、次のうちの1つ以上に当てはまると言われています。
・高血圧
・高血糖
内臓脂肪型なのか、皮下脂肪型なのかを正確に知りたい方はCT検査を受けましょう。
ダイエットで内臓脂肪と皮下脂肪はどちらから落ちる?
ダイエットによって脂肪を減らした場合、肝臓脂肪(肝脂肪)⇒内臓脂肪⇒皮下脂肪の順に落ちるといわれています。
肝臓脂肪の検査結果には要注意
つきにくく落としやすいのが肝臓脂肪と言われています。
しかし、脂肪肝などの疾患になってしまうと大変です。“肝臓は沈黙の臓器”と呼ばれているほど、相当悪くなるまでSOSを出しません。
検査結果には十分注意しましょう。
内臓脂肪は落ちやすいが、見た目には分かりにくい
この記事の冒頭でも説明しましたが、内臓脂肪は、つきやすいが落としやすいと言われています。
ダイエットを始めてもなかなか見た目に表れないのは内臓脂肪が落ちているからかもしれません。
諦めずにつづけることで、皮下脂肪も続いて落ちていくことでしょう。
皮下脂肪が落ちてはじめて、ダイエット効果を実感する方が多い
最後に、皮下脂肪はつきにくく落としにくいと言われています。
皮下脂肪が落ちたとき、“見た目”にもダイエット効果を実感することができるでしょう。
男女差
先述しましたが、ホルモンの関係から、男性は皮下脂肪より内臓脂肪がつきやすく、女性は内臓脂肪より皮下脂肪がつきやすいという傾向があります。
男性の方が脂肪を落としやすいと言われるのは、内臓脂肪の方が落としやすいことが関係しています。
内蔵脂肪は落ちても見た目では実感しにくいので、ダイエット効果を実感せずにやめてしまう方もいますが、根気よく続けることが大事です。
中性脂肪と内臓脂肪・皮下脂肪に関するよくある質問
今回の内容のおさらいも兼ねて、中性脂肪及び内臓脂肪、皮下脂肪に関してよくある質問をまとめました。
Q.中性脂肪と内臓脂肪は同じですか?
A.違います。
中性脂肪によって内臓につくのが内臓脂肪です。
Q.内臓脂肪と皮下脂肪どっち?
A.厳密にはCT画像を見なければ分かりません。
Q.中性脂肪はどこにあるの?
A.血液中に存在します。
血液中の中性脂肪の基準値としては、30~149㎎/dlが正常とされています。
Q.皮下脂肪はどこにある?
A.皮膚のすぐ下にある皮下組織についている脂肪です。
お尻や太ももなど下半身につきやすいです。
また、男性より女性につきやすいです。
中性脂肪の下げ方
中性脂肪を下げるための生活の基本は5つです。
1.脂質・糖質の多い食事は控えめにする
2.運動習慣をつける
3.十分な睡眠をとる
4.アルコールや喫煙はほどほどに
5.ストレスの溜めすぎに注意