ぶどう狩りの時期はいつ?

おすすめの品種、食べ放題の注意点や持ち物も紹介

定番のデラウェアから人気のシャインマスカットまで、バラエティ豊かな“ぶどう”。太陽の光を浴び、自然いっぱいの農園で育ったぶどうは、ジューシーで甘みもたっぷり。主成分が果糖やブドウ糖などの糖質なので、エネルギー補給にもピッタリなんですよ。

そんなぶどうをお腹いっぱい味わうなら、ぶどう狩りへ!農園によっては、高級ぶどうの代名詞でもあるシャインマスカットが食べ放題だったり、品種の食べ比べができたりと、楽しみ方もいろいろ。

でも不慣れな人は「どんな品種があるの?」「ぶどう狩りってどういうシステム?」と疑問は尽きませんよね。そこで今回は、品種の違いや農園での注意点、あると便利な持ち物などをご紹介。事前にチェックしてから、瑞々しいぶどうを味わいに出かけましょう♪

ぶどう狩りの魅力とは?
一番の魅力は、やはり時期ごとに多彩な品種が味わえるラインナップの豊富さ。ぶどうの品種は他のフルーツに比べるとかなり多く、日本で栽培されているものだけでも、その数は60種類以上といわれています。ちなみに、最も古くから栽培されている品種は、甲州なんだとか。鎌倉時代から栽培されていたというから驚きです。

また、もぎたての新鮮な味わいが堪能できるのも、ぶどう狩りの醍醐味。果実の生る木が意外と低いので、小さな子どもも大人と一緒に楽しめます。たわわに実った一面のぶどうを見て「ぶどうってこういう風に生っているんだ」と、子どもはきっと目を輝かせるはず。食育体験にもなり、農園デビューにも最適です。

 

ぶどう狩りの時期はいつがおすすめ?
 
ぶどう狩りのピークは8月上旬から9月下旬頃まで。品種によって収穫できる時期が異なるので気を付けましょう。

そして、ぶどう狩りに行くなら時期よりも自分の食べたい品種を優先して探しましょう。「大粒で食べ応えのあるものが味わいたい!」「種なしがいい」など、自分好みの品種を事前にチェックしておくと、農園をリサーチするときにスムーズですよ。

続いては品種ごとの特徴や収穫できる時期をご紹介。自分の食べたい品種をチェックして、農園を選ぶ際の参考にしてくださいね。

巨峰 【8月上旬~9月下旬】

「ぶどうの王様」ともいわれる品種。糖度が18度から20度と高く、香りも豊か。大粒で果汁が多いのも特徴です。

種ありと種なしがあり、どちらも皮をむいて味わいます。ヘタ側ではなく、粒の先にナイフなどで切れ目を入れると、むきやすくなるとか。

ピオーネ 【8月中旬~9月下旬】

巨峰とカノンホールマスカットを掛け合わせた、大粒、種なし、甘いという三拍子そろったぶどう。大きいものだと粒は20gほどにもなり、食べ応え満点!

爽やかな香りも印象的で、果肉がギュッと詰まっており果汁も多いです。

デラウェア 【7月下旬~8月中旬】

種なしぶどうの定番。小粒で香りは控えめだけど、糖度は十分。ぶどうの品種の中でも旬が7月と早く、ハウス栽培のものだと、5月頃から味わえます。

強くつまめば果肉がつるっと出てくるので食べやすさも◎。皮をむいた後は変色しやすいので注意しましょう。

シャインマスカット【8月下旬~9月下旬】

人気急上昇の種なしぶどう。鮮やかな黄緑色と楕円形の果粒が目を惹きます。糖度は20度前後と高めで、皮ごと食べられるのも高ポイント。

パリッとした食感と爽やかなマスカットの香りも印象的で、一度食べれば虜になる人続出です!

服装や持ち物は?
足元の悪い土の上を歩いたり、しゃがんだりすることもあるので、動きやすく、汚れても大丈夫な服やスニーカーで行くのがベター。果汁で汚れることもあるので、小さな子どもと一緒に訪れる場合は、着替えやウェットティッシュを持っていくと安心です。

また、基本は屋外での収穫となるため、帽子などの暑さ対策はもちろん、虫除けや日焼け対策もお忘れなく。薄手の長袖カーディガンなどを持っていくとよいでしょう。

さらに、ぶどう狩り上級者になると、クーラーボックスに氷を入れて持ち込むツワモノも!もぎ取ったぶどうを冷やして食べれば、美味しさがさらに増すからというのがその理由ですが、施設によっては持ち込み禁止のところもあるので、事前に必ず確認してくださいね。

ぶどう狩りに時間制限がない場合は、休みたいときに座れるよう、レジャーシートを持っていくのもおすすめ。ピクニック気分が味わえますよ。

<服装・持ち物チェックリスト>
□動きやすい服(子どもの場合は着替えも)
□帽子
□薄手の長袖カーディガン
□ウェットティッシュ
□虫除けスプレー
□日焼け止め
□レジャーシート
□クーラーボックス(施設によっては禁止されているので、事前に要確認)

 

ぶどう狩りに行くときの注意点

基本的には予約が必要な農園が多いですが、例え予約不要であっても事前の問い合わせは必須。生育状況や天候によっては、収穫時期が予定より早まったり、遅くなったり、さらにはぶどう狩り自体ができないなんてこともありえます。前日に状況を聞いておけば、当日ガッカリ…なんて事態を避けられますよ。

雨天の場合がどうなるのかも、聞いておきましょう。休園になる、傘を持参すればOKなど、農園によって対応はさまざまです。不安なこと、疑問に思うことは訪れる前に解消を!

また、現地では施設の人の話をよ~く聞くことがポイント。まずは指定の場所を確認しましょう。

そして、ぶどうは狩り方ひとつで枝や他の果実を傷つけてしまうこともあります。ハサミを使って狩る場合はハサミの扱い方や正しい狩り方をきちんと確認してくださいね。そのほか、食べ頃のぶどうの見分け方なども教えてくれるので、その道のプロにいろいろ聞いて、気持ちよく美味しいぶどう狩りを満喫しましょう♪

指定以外の場所に立ち入る、皮やゴミを捨てる、食べきれない量をもぎ取るなどは言語道断!農園マナーを守って楽しんでください。

 

ぶどう狩り農園の選び方
全国に数多くあるぶどう狩り農園。いざ予約をしようとしても、どこが自分に最適かわからない!という人も多いのではないでしょうか?そんなときは、農園の設備やサービスに注目!食べ放題なのか、量り売りなのかといった体験システムもポイントに。下記に一例を紹介しますので、自分にピッタリの農園を見つけてくださいね。

子連れや家族で行く場合
施設内に遊べるスポットがある農園を選ぶと1日たっぷり楽しめます。アスレチックや釣り堀、川遊びなど、さまざまな過ごし方ができると、子どもも飽きずに過ごせるはず。

そこまで量が食べられない小さな子どもがいるファミリーは、量り売りの農園を選択するのがベター。食べたい分だけ取って料金を払うシステムなので、食べる量の調整ができますよ。ただし、目を離したすきに子どもが狩りすぎないように気を付けて!

カップルで行く場合
ぶどう狩りに加えて、ワインづくりやジュースづくりといった、プラスアルファの体験ができる農園を選ぶのがおすすめ。一緒につくれば思い出にもなるし、お互いの絆も深まるかも!?ちなみに、ワインづくり体験ならクリスマス頃に2人で乾杯!なんてことも叶います。

友人同士のグループで行く場合
時間制限がなく、のんびり楽しめる食べ放題スタイルの農園がおすすめ。ぶどう狩りとBBQがセットになったプランを用意している施設を選ぶのも◎。ぶどう棚の下でワイワイ楽しみながらぶどうや料理を味わえば、あっという間に時間が過ぎてしまいそう。BBQは手ぶらでOKの場合も多いので、事前にリサーチを!

 

美味しいぶどうの見分け方

ぶどうは房の上の方(軸がついた方)から成熟していくため、下側の実が濃く色づいていれば食べ頃です。

皮に張りがあり白い粉(ブルーム)がついていれば、甘いぶどうのサイン。明るく風通しのよい場所にあるぶどうも、比較的甘くて美味しいのだとか。

また、時期によってはぶどうに袋がかぶせられていることもあります。その場合、見極めは難しいかもしれません。そういうときは、農園のスタッフさんに聞いて、美味しいぶどうをゲットしてくださいね。

 

ぶどうの収穫量ランキング

1位 山梨県 4万600t
2位 長野県 2万8800t
3位 岡山県 1万5100t
4位 山形県 1万4600t
5位 福岡県 6910t

全国のぶどうの収穫量は 16万5100t。山梨県が25%、長野県が17%、岡山県及び山形県が9%、福岡県が4%となっており、上位5県で全国の収穫量の約6割を占めています。

ここからは、2021年ぶどうの収穫量が多かった上位5県のぶどう狩りについて紹介していきます。

 

【収穫量ランキング1位】山梨県のぶどう狩りスポット

山梨県は栽培面積、収穫量ともに全国No.1。ぶどうの生産が盛んな甲州盆地は、水はけがよい土地が多くあり日中の寒暖差も大きいため、ぶどうの栽培に適しています。エリア内には多くのワイナリーが点在し、本格的なワインづくりも盛ん。ワイナリー見学もできるので、ぶどう狩りとあわせて訪れると、より楽しめます。

主な栽培品種は「巨峰」「ピオーネ」「シャインマスカット」「甲斐路」など。特に「甲斐路」は、山梨県を代表する晩生種で、粒落ちしにくいため贈答品としても人気です。

ぶどう狩りが楽しめるのは、“果実の里“と呼ばれる笛吹市を筆頭に、甲州市、山梨市、南アルプス市甲府市など。農園の数が全国でも群を抜いており、どのエリアも自然豊かな環境で収穫体験ができます。

なかには、甲府盆地の町並みを見下ろしながらぶどう狩りができる眺めのいい農園や、複数の品種が食べ比べできる農園もあります。高級ぶどうの代表格である、シャインマスカットが食べ放題の農園が多いのも嬉しいですね。

季節によってはぶどうと桃が同時に味わえる農園も。複数狩りができるのも、山梨ならではです。

 

【収穫量ランキング2位】長野県のぶどう狩りスポット

長野県は雨が少なく日照時間が長いという気象条件などから、高品質なぶどうを生産。「巨峰」が全体栽培面積約40%を占めているものの、近年では種もなく皮ごと食べられる「ナガノパープル」や「シャインマスカット」「クイーンルージュ(R)」の生産にも力を注いでいるとか。

ぶどうの栽培は県内全域で行われています。特に盛んなのは須坂市中野市塩尻市長野市松本市東御市の6エリア。

また、長野県はワイン用のぶどう生産量が日本一。県内にあるワイナリーでは特長あるワインが続々と生産されているので、ぶどう狩りと合わせてワインも楽しんでみてください。

長野県でぶどう狩りをするなら、県内で育成されたオリジナル品種の「ナガノパープル」が味わえる農園を選びたいところ。「ナガノパープル」の果皮は黒紫色で、健康にもよいとされるポリフェノールがたっぷり。巨峰にも劣らない高糖度で、爽やかな甘さが口の中に広がります。体験後にお土産として買って帰るのもおすすめです。

長野県には有名な温泉地も多数。ぶどう狩りを楽しんだ後は、温泉に入って日頃の疲れを癒してみるのもいいかもしれませんね。

【収穫量ランキング3位】岡山県のぶどう狩りスポット

瀬戸内の温暖な気候に恵まれた岡山県。古くからぶどうの栽培が行われており、130年を超える歴史を誇る「マスカット・オブ・アレキサンドリア」をはじめ、「オーロラブラック」「瀬戸ジャイアンツ」といった岡山発祥の品種のほか、多種多様なぶどうが揃っています。

特に全国の生産量9割以上を占める「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は、透き通るようなエメラルドグリーンに芳醇な香り、甘すぎない爽やかな味わいで、“果物の女王”と呼ばれています。他品種が終わる秋から冬に味わえる「紫苑(しえん)」といった、珍しい「次世代ぶどう」の生産にも積極的。

食感や風味の違うぶどうが多数楽しめるバリエーションの多さに加え、寒暖差の大きい北部と温暖な南部の気候の違いを生かした栽培で、4月から12月まで長期間ぶどうが味わえるのも岡山県のぶどうの魅力です。

また、岡山県には観光農園が多数点在。生産量全国No.1の「ピオーネ」が狩れる農園のほか、4種のぶどうが味わえる農園やお土産付のプランがある農園、ぶどうを使ったスイーツや加工品を提供している農園など、多彩な農園があるので、自分に合った農園を見つけてくださいね。

【収穫量ランキング4位】山形県のぶどう狩りスポット

さくらんぼのイメージが強い山形県ですが、実はぶどうの生産も盛ん。県内の主な産地は、米沢盆地を中心とする置賜エリア。特に南陽市赤湯周辺は県内のぶどう栽培発祥の地とされ、日本一の生産量を誇る「デラウェア」をはじめ、「ピオーネ」「巨峰」「シャインマスカット」など、多彩な品種の栽培が行われています。

出荷時期は、6月の「デラウェア」から始まり、9月から11月頃にかけて「ピオーネ」「巨峰」「ロザリオビアンコ」「安芸クイーン」と続き、「シャインマスカット」は12月頃まで長く楽しめます。

ぶどう狩りは置賜エリア以外でも体験できます。他の県と比べると料金が比較的リーズナブルなのが嬉しいところ。なかには時間無制限で食べ放題なのに、料金が600円という破格の安さの農園もあります。ベビーカーや車いすOKの農園も多く、子連れファミリーに優しいのもポイント。ぶどう狩りを満喫したあとは、山形牛など美味しいご当地グルメも味わって!

さらに、山形県は日本ワインの生産量も多いエリア。ワイナリー自体は少ないものの、県内産のぶどうにこだわった優れたワインが生まれており、全国からも注目されているそうです。

【収穫量ランキング5位】福岡県のぶどう狩りスポット

巨峰発祥の地として知られる福岡県。ぶどうは南部の久留米市うきは市八女市周辺を中心に栽培されており、5月~10月までの長期間美味しいぶどうを届けられるよう、露地だけでなく施設での栽培も推進しています。

主な品種はもちろん「巨峰」。ほかに、「ピオーネ」や「シャインマスカット」などが栽培されています。

福岡県内のぶどう農園は、うきは市久留米市(田主丸エリア)に集まっています。基本的に食べ放題ではなく、もぎ取ったぶどうの量り売りスタイルが主流。併設の直売所で、希少な品種やオリジナル品種を購入できることもあるのでチェックしてみてください。

うきは市には、ブルーベリーや桃、梨や柿といったぶどう以外の果物狩りの体験ができる観光農園もあります。農園によっては、ぶどう狩りと梨狩りが同時に楽しめますよ。甘みたっぷりのフルーツを存分に堪能しちゃいましょう♪

まとめ
秋のお出かけにピッタリなぶどう狩り。制限時間内に園内で食べる食べ放題や狩った分を重さに応じて買い取る量り売り、数を限定してもぎ取る個数制限など農園によってシステムが違うので、事前のリサーチ&確認はお忘れなく!

品種を問わなければ長期間楽しめるので、一度といわず時期を変えて体験し、ぶどうを食べ比べるのもおすすめですよ。今年の秋は美味しいぶどうを堪能しましょう!