寝つきを良くする、 快眠に導く 「生活のススメ5選」

光をコントロールし、
朝食でリセット
体内リズムを整えるための、快眠プログラムをまとめました。
朝起きたら、まずはカーテンを開けて朝日を浴びましょう。曇りの日でも、屋外は室内よりも10倍以上明るく(約5000ルクス)、体内時計のリセットに十分な明るさがあります。

 

快眠プログラム
AM 6:00
起きたらすぐ朝日を浴びる
光によって脳にある体内時計をリセットします

AM 6:30
朝食をとる
朝食をとることで体のさまざまな臓器にも朝が来たことをお知らせします。 特にたんぱく質が多い朝食を摂ることが、体内リズムを整えるのに効果的だという研究報告もあります。

PM 12:30
眠くなったら、ちょっと昼寝
午後早めの時間は眠くなるのも正常な体内リズム。30分以内の昼寝を。

PM 18:30
定期的に激しくない運動を
定期的な運動習慣がある人には睡眠の問題が少ない。ただし寝る直前の激しい運動はさけて

自分に合う方法でリラックス
音楽を聴く、肌の手入れをする、アロマをたくなど、好みのリラックス法で心身をお休みモードに

PM 21:30
スマホやパソコンは早めにOFF
これらから出るブルーライトには目覚まし作用がある。夜は控えめに。

寝酒、喫煙、カフェインは避ける
寝酒は寝つきを良くするが、途中で目が覚めやすくなる。タバコやカフェインには目覚まし作用がある

PM 23:00
照明は落とし、夜更かししない
明るすぎないほうがメラトニンの分泌はスムーズ。夜更かしは体の細胞を修復する成長ホルモンの分泌を妨げる

光の刺激で体内時計の主時計をリセットしたら、次はさまざまな臓器に存在する末梢時計を、朝食の刺激でリセットします。朝食には強いリセット作用があることが確認されています。朝食を食べない人に睡眠と覚醒のリズムが不規則な人が多いというのも、朝食の大切さを物語ります。

 

朝食抜きと不規則な睡眠・覚醒に相関あり

日本人の成人男女1368人について、寝つく時刻(睡眠)と目覚める時刻(覚醒)が規則正しいかどうかと食事の摂取頻度との関係を調べた。規則正しい群の約9割が朝食を週5回以上食べていた。不規則な群では約3分の1が朝食の摂取頻度が5回未満だった(P<0.001)。このような差は昼食や夕食ではみられなかった。

 

昼寝は30分以内

体内時計によって昼は活動的になるという周期が作られますが、細かくみていくと昼すぎに眠気が出るという周期性があります。昼すぎに眠気を感じるようなら、我慢せずに昼寝をするほうが、その後の活力アップにつながります。
ただし長く寝すぎると目覚めが悪くなってしまうので、30分以内の昼寝が望ましいようです。

寝る前にいったん
体温を上げる
日本人を対象とする研究で、1日30分以上週5日以上歩くか、週5回以上の習慣的な運動習慣がある人には、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるといった訴えが少ないという結果が出ています。睡眠・覚醒と体温は連動していて、深い眠りを得るには、体の中心部の体温、深部体温を下げる必要があるのですが、運動によっていったん体温を上げておくと、就寝時の体温との落差が大きくなり、眠りに入りやすくなるのです。ただし激しい運動は、かえって眠りを妨げることもあるので避けましょう。

また、入浴で体温を上げても、運動と同様の効果が得られます。40℃程度の高すぎない温度の湯につかると、深い眠りが得られるようです。

夜間は体を
興奮モードにしない
スムーズな入眠にはリラックスタイムも必要です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」では、リラックスできる方法は人それぞれなので、自分にあう方法を見つけることが重要、としています。

寝る直前には避けたほうがいいことも、いくつかあります。まずスマートフォンスマホ)やタブレット、パソコンの画面を見ること。これらの画面に使われる照明「LED」は、脳に朝が来たという信号を伝える光、「ブルーライト」を多く発しています。ブルーライトは体内時計に影響し、夜間のスムーズなメラトニン分泌を妨げます。

寝酒、喫煙、カフェインの摂取も好ましくありません。寝酒をすると寝つきが良くなるのを実感する人は多いかもしれませんが、その効果は3日も連用すれば失われるようです。

タバコに含まれるニコチンには比較的強い覚醒作用があり、喫煙者は非喫煙者に比べて深い眠りが少ないという報告があります。

カフェインの覚醒作用は周知のとおりですが、最近の研究ではカフェインの摂取にブルーライトの刺激が合わさると、メラトニンの分泌を遅らせる作用に拍車がかかるという結果が出ています。

 

寝る前の明るい光とカフェインはNG

健康な男女5人(平均約24歳)が、いつも寝る時刻の3時間前から3時間、3000ルクスの明るい光、あるいは1.9ルクスの薄暗い光のもとですごした場合それぞれについて、体重あたり2.9㎎のカフェイン(体重69㎏の場合で200㎎、ダブルのエスプレッソ2杯分)か、偽のカフェイン(対照食品)を寝る3時間前にとった。唾液中にメラトニンが分泌される時刻を調べると、明るい光を浴びてカフェインをとった場合で2時間近く遅れた。

 

夜更かしせず、
起床時刻は一定に
夜間は早めに部屋の照明を落としましょう。照度の低い黄色い照明はメラトニンの分泌を妨げにくいこともわかっています。

また夜更かしは、傷ついた全身の細胞を修復する「成長ホルモン」の分泌を妨げます。

無用な夜更かしは避けたいものです。そして毎朝、同じ時刻に起きましょう。就寝・起床リズムを崩さないように、休日も平日とほぼ変わらない時刻に起きることが理想的です。

 

https://a.r10.to/haeTwI