キケンな異所性脂肪とは

太っていなくても要注意!
キケンな異所性脂肪とは
摂りすぎた糖質は中性脂肪となってカラダに蓄えられます。脂肪の多くは皮下脂肪や内臓脂肪といった脂肪組織に蓄えられますが、実はそれ以外の場所にも蓄積されることが。こうした脂肪は「異所性脂肪(いしょせいしぼう)」と呼ばれ、様々な健康トラブルを引き起こす要因の1つとして注目されています。

食後に血糖値が上がると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンの作用によって、血液中のブドウ糖が筋肉に取り込まれたり、肝臓でグリコーゲンという貯蔵型の糖質に変えられたりして、食後に上がった血糖値はもとの値まで下がります。

しかし、筋肉や肝臓に異所性脂肪が蓄積するとインスリンの効きが悪くなってしまうおそれが。また、膵臓や心臓などの臓器に異所性脂肪が蓄積すると、臓器が持つ本来の機能に悪影響を及ぼします。異所性脂肪はそれほど太っていない人のカラダにも蓄積されることが分かっているので、油断は禁物です。

異所性脂肪を減らすには、偏った食事や運動不足を改善することが大切。脂肪のもとになる糖質は、摂りすぎないように気を付けましょう。日常生活の中でカラダを動かすだけでも異所性脂肪は減らせることが分かっているので、普段から意識して動くことがオススメです。
皮下脂肪
皮膚の下に蓄積する皮下脂肪。女性は皮下脂肪がつきやすい傾向があります。内臓脂肪と比べると健康リスクは低めです。

内蔵脂肪
内臓のまわりに蓄積する内臓脂肪。内臓脂肪型肥満は男性に多く見られます。健康リスクを高める要因になるので、内臓脂肪はできるだけ減らすことが大切です。

異所性脂肪
本来、それほど脂肪が溜まるはずのない肝臓や筋肉、心臓、膵臓(すいぞう)などの臓器に蓄積する異所性脂肪。食後の血糖値が下がりにくくなったり、臓器の機能を損なったりする要因になるといわれています。