人間とは違う!動物における睡眠とは?

「人間は1日に6~8時間くらい寝るけれど、動物はどれくらい寝るんだろう……?」と考えたことはありませんか。例えば、犬や猫の場合、睡眠時間は大体10~12時間といわれています。それでは最も睡眠時間が長い動物はご存知でしょうか? 逆に1番睡眠時間が短い動物は知っていますか? 意外と知らないのが動物の睡眠についてだと思います。そこで、ここでは動物の睡眠について見ていきましょう。

睡眠時間が1番長い動物はコアラ
睡眠時間が最も長い動物はコアラです。その睡眠時間は、なんと1日に22時間といわれています。コアラの睡眠時間が長い理由については諸説ありますが、ユーカリを主食として食べていることが関係しているという説が有力です。ユーカリの葉には青酸カリ系の毒素が含まれています。「毒素が含まれているのに食べちゃって大丈夫なの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。実は、コアラの盲腸には毒素を分解する酵素が存在するため、毒素を含むユーカリの葉でも食べることができるのです。しかし、解毒のためにエネルギーを必要とするので、コアラは長い時間眠り続けなければならないとされています。また、ユーカリの葉は油分やタンニンが多く含まれるので、消化吸収のためにはエネルギーが必要です。無駄なエネルギーを消費しなければならない点も、コアラの睡眠時間が長い理由でしょう。このほか、ユーカリの葉はエタノールが発生するという性質がありますが、このエタノールが神経を麻痺させて眠気を誘発するといった理由も考えられています。

動物たちの睡眠時間について
それでは、ほかの動物たちの睡眠時間はどうなっているのでしょうか。ワシントン大学がおこなった調査結果は以下のとおりです。

トラ:15.8時間
リス:14.9時間
ゴールデンハムスター:14.3時間
ライオン:13.5時間
ネズミ:12.1時間
ウサギ:11.4時間
ハンドウイルカ:10.4時間
チンパンジー:9.7時間
モルモット:9.4時間
ブタ:7.8時間
グッピー:7時間
ヤギ:5.3時間
ウシ:3.9時間
ヒツジ:3.8時間
ウマ:2.9時間
キリン:1.9時間
トラの睡眠時間は15時間以上であること、そしてキリンの睡眠時間は非常に短く、1日で約2時間程度しか寝ていないことがわかりました。実はこの睡眠時間については「食」に大きくかかわっているとのことです。肉食動物はカロリーの高いたんぱく質を食べているうえに、ほかの動物から襲われる危険が少ないため、長時間の睡眠が可能です。一方、草食動物の場合、肉よりも栄養価の低い草を大量に食べるため、食事に多くの時間を費やします。また、ほかの動物から襲われる危険性もあるということもあり、比較的睡眠時間が短くなっています。同じ動物でも、動物園のような安全な環境にいると、睡眠時間は長くなるといわれています。

ウマは寝るときに横にはならない!?
寝姿勢についても動物によってさまざまです。例えば、ウマの場合、ほかの動物に狙われやすいため、長時間横になって眠ることはありません。ほかの動物から襲われそうになったときに逃げ出せるように立ったまま眠ることができるのです。ただし、深い眠り(レム睡眠)のときは横になります。群れを成して生活しているウマに関しては、数頭が横になっている間、ほかの数頭は立ったまま眠るというように、眠りを交代し合っているそうです。

以上、動物の睡眠について見てきました。ここで紹介した睡眠時間については、あくまでも平均的な数字になります。同じ動物でも個体差はあります。睡眠のちょっとした雑学として覚えておくとよいかもしれません。

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