着実な成果につなげる仕事術

社内評価が上位の“5%社員が実践!
着実な成果につながりやすい
※継続力”を身に付ける方法

個人で始める働き方改革!
何かうまくいかなかったら努力で解決するという根性や体力に委ねられるのは若いうちだけです。
若さは有限であり、いつまでも体力で解決することはできません。
私はスキルが乏しい時に、睡眠時間を削り、体力で何とか仕事を終えようと努力していた結果、精
神疾患になりました。努力は一見、ポジティブな行動に見えますが、美化されすぎていると感じます。多くの優秀な社員は「努力だけで解決するのは危険」だと考えます。
3社でトップ5%の人事評価を得ている社員の言動を分析したところ、突拍子もない仕事術を実践し
ているわけではありませんでした。
〝5%社員〟が特に行なっていたのは「当たり前のことを当たり前にやり続ける」ことです。
"5%社員〟は作業に集中するための継続力をいったいどうやって身に付けているのか。そのため
の方法について紹介しましょう。
あくまでも目指すのはローリスク・ローリターン
継続力を重視する“5%社員〟は、ハイリターンを目指しません。口―リスク・ハイリターンはギャンブルのようなもので再現性が乏しく、時に詐欺的な手法であると捉えています。 また、ハイリスク・ハイリターンは稀にあっても継続することが難しく 「成果を出し続ける」ことを目指す "5%社員”にとって魅力には感じないのです。
そこで彼らはローリスクを選び、ローリターンを積み重ねることを目指します。 成功確率を高めるのではなく、失敗確率を低くして着実に前へ進むのです。
いきなり成功を目指してしまうと初動が遅れてしまい、失敗すれば挫折して行動を止めてしまいか
ねません。そのため、成功確率3割程度を目指し、失敗したらすぐに修正できるようにチェックポイントを設けます。 例えば、資料作成の際には進捗20%の段階で提出する相手に「これでイメージは合すか?」と確認し、認識の相違を防ぐのです。 資料完成後にはフィードバックを得て、次に
資料作成する際に生かし、満足度をさらに高めます。 いきなり大成功を目指すのではなく、このような修正を積み重ねて着実に成功に近づく戦略こそが実を結ぶのです。
乗っている作業〟でも途中で手を止めることが大事
仕事の作業によっては、 始めることでモチベーションが上がり、ドーパミンが分泌されて "作業興
奮が高まることがあります。 そっての状態に陥ると休憩なく作業を続けてしまい、体力を過度に消耗することになるのです。 興奮状態では冷静な判断がつかず、作業自体が目的となり、本来の果たすべき目的も忘れてしまいかねません。
そんな作業興奮〟の危うさを、
5%社員”は知っています。 興奮状態を抑えるために事前に “区切り〟を設け、仕事の途中でもあえて作業の手を止めるのです。
順調に進めている作業を途中で止めることは、集中力が途切れて効率が悪くなると思われるかもし
れません。しかし、行動心理学によれば、制限時間を設けて作業し、休憩後に作業を再開すると “ツァイガルニク効果”の働きで、集中力が継続できるそうです。
仮に3時間集中できても、それを何度も行なうのは体力的に困難でしょう。 制限時間を設けて無駄
な"作業興奮〟を抑え、 こまめに休憩することで集中力を保てる時間の頻度を高める。 これが“5%
社員〟の行動習慣なのです。
時間の使い方について企画する”ことを意識せよ
"5%社員〟は仕事の段取りが完璧です。 「いつまでに」「何を」「どの順番でやるか」を明確にして作業を進めます。期限内に仕事を終えるには計画性が欠かせません。
仕事の意義や目的をはっきりとさせる傾向は“5%社員"の多くに見て取れます。 例えば仕事を 早
く終えることを目的にするので はなく「何のために早く終えるのか」を企画する"のです。 特にテ ンションが上がるようなイベントや自分へのご褒美を用意し、そのうえで計画や段取りを練ります。
時間の使い方を計画する前の段階で「なぜ時間を効率的に使わ なくてはいけないのか」「効率的に 使うと自分にとってどんなメリッ トがあるのか」について”腹落ち"してから段取りをしたほうが、当事者意識を持つことができ、集中して仕事を継続することにもつ ながるのです。ぜひあなたも、 実践してみてください。
ツァイガルニク効果〟とは、ドイツの心理
学者クルト・レヴィンと、旧ソ連の心理学
者ブルーマ・ツァイガルニクが発見した心
理効果のこと。 達成できなかった事柄や中
断している事柄のほうを、達成できた事柄
よりもよく覚えているという現象を起こす。
この効果を利用し、あえて途中で作業を止
めると、行動をより強化できる。