【太りたい、体重を増やしたい】ガリガリ体型の人が体を大きくするための食事方法&筋トレメニュー

 「痩せたい」と思う人と同じくらい、「なかなか体重が増えない」「運動をしているのに筋肉がつかない」「ヒョロヒョロとした体型が嫌」という悩みを持つ人もいます。そうした体質を持っているのが、ハードゲイナーと呼ばれる人々です。

 ダイエット中の女性などは「食べても太らないなんて最高じゃないか」と思われるかもしれませんが、ガリガリの体だと自信が持てない、体を大きくしたいのに太れないなど、ハードゲイナーにも苦労があります。

今回は太りたいけれど太れない、痩せすぎの人たちに向けた、体重増加のためのトレーニングメニューと、健康的に太るための食事方法をトレーナーが解説します。

なぜ体重が増えないのか。おもな原因は2つ

食べているのに太れない理由は、まず食事内容にあります。

食が細い

 いつも満腹に食べているつもりでも、そもそもの食事量が他の人と比べて少ないということが考えられます。食事量が少なければ摂取カロリーも少なく、太ることができません。そのような人の中には、食に対するこだわりや執着が少なく、「時間がない」「面倒くさい」といった理由で1食抜いてしまうことも少なくないでしょう。

消化吸収能力が低い
 食事量が多くても、体内に取り込んだ食事から栄養を吸収する能力が弱ければ、カラダの材料である栄養素が効率よく使われず、体外へ排出されてしまいます。これは、体質によって皆それぞれ違うため、自分で意識的に改善させることは難しいでしょう。

体重を増やすための食事のポイント
 カラダを大きくするため、トレーニングに励む人もいることでしょう。しかし、体重を増やすためには食事方法とメニュー、食事の回数といった食生活そのものを見直すことがもっとも重要です。ここでは、太れない人の食事戦略を紹介します。

1日の摂取カロリーはきちんと摂る
 まずは、「現在の体重×50kcal」を1日の摂取カロリーの目安としてください。たとえば、体重が55kgなのであれば2750kcalです。

 もちろん、普段の活動量によって目安カロリー量は変わってきます。まずはこの方法で行い、体重が増えないようであれば摂取カロリーを増やしていくようにしてください。

一度に多く食べられないなら、食事回数を増やす

食が細い人は、1回の食事で大量に食べるのが苦痛となります。そのような場合は、食事の回数を増やしてみましょう。たとえば、「朝食・10時・昼食・15時・夕食・就寝前」などです。

 食事回数を増やすと調理が大変、時間がないと思う人がいるかもしれませんが、心配は無用です。3食以外はしっかり食べる必要はなく、補食(間食)としてジュース割りプロテインを摂取する、飲み物に糖質パウダー(後述)を入れるだけでも効果があります。

 また、一度に摂取する食事量を少なくすることで、消化吸収を助ける効果も期待できるでしょう。

タンパク質を中心に摂取する
 摂取カロリーを増やすといっても、ただご飯や甘いもの、高カロリーな食材を食べればいいわけではありません。どうせカラダを大きくするなら、体脂肪ではなく筋肉量を増やしたいものです。

 厚生労働省の日本人の食事摂取基準によると、筋肉の材料となるたんぱく質は、1日に体重×1g前後ほど摂取するのが望ましいとされています。しかしウエイトアップしたい場合は、体重×2g(体重50キロであれば50×2g)を目安として摂取してください。

食事もトレーニングの一環。とはいえ、多く食べることが難しい人も多いはず。その場合は、次に説明する「カロリーが多い太るプロテイン」を活用してみるのも手です。

ハードゲイナー用のプロテインを活用してみる
 実はプロテイン商品の中に、ハードゲイナー向けに作られているものがあります。それが、「ウエイトゲイン」と呼ばれているプロテインです。たんぱく質と一緒に糖質が多く含まれているのが特徴で、手軽に摂取カロリーを増やすことができます。

海外製のものでは1回の摂取で900~1200kcalも摂れる商品もあり、このようなプロテインは世界中のハードゲイナーの人たちに活用されているのです。ただし、このような商品は糖質が多く含まれているのでとても甘く、甘いものが苦手な人にはオススメしません。

 日本では、たとえば以下のような商品がハードゲイナー向けプロテインとして挙げられます。

ハードゲイナー向けプロテイン
●カラダを大きくしたい人にぴったりのプロテイン「プルエルプロテイン
3大栄養素であるたんぱく質、糖質、脂質(MCTオイル)を配合。さらに3種の菌(乳酸菌、納豆菌、酵母菌)、酵素処理、食物発酵エキスも配合しています。

また、次に挙げる「マルトデキストリン」という炭水化物パウダーも有効です。

マルトデキストリンを活用する
 炭水化物を分解し、細かくしたパウダー「マルトデキストリン」もおすすめです。ドリンクに混ぜて飲むもので、体内への吸収が速く、運動中や運動後のエネルギー補給に最適です。

 飲み物に入れるだけで多くの糖質を摂取することができるため、食事だけではカラダが大きくならない人にとって、大きなサポートとなるでしょう。

しかし、いくらカロリーや栄養を摂取しても、それを消化して吸収する能力がないと、体重を増やすことは難しいでしょう。その場合は、次に解説する方法で消化吸収をサポートするのも手です。

消化を助けるサプリメントの活用も検討
 消化吸収能力が低い場合、食事量を増やすと胃腸の負担を増やし、お腹の調子を崩してしまうことが考えられます。これでは、せっかく頑張って摂取したものも無駄になりかねません。そこで活用したいのが、消化・吸収を助けてくれる酵素サプリメントです。特に、たんぱく質の多い食事をしたときの摂取をオススメします。

サプリに頼らなくても、しっかり噛むことで消化吸収を助けることもできます。お腹が弱い人は、しっかり噛んで食べましょう。

 次は、身体を大きく見せるために必須の、筋肉を大きくするトレーニングについてです。

体重を増やすためのトレーニング方法

食事と並行して筋トレも行うようにすると、カラダを大きくする効果が高まります。ここでは、カラダを大きくするトレーニングについて解説しましょう。

大きい筋肉から肥大させていく
 体重を増やすためには、大きい筋肉を肥大させた方が効率的です。以下の筋肉を優先して鍛えると、体重のほかに身体のサイズを大きく見せることもできます。

胸の筋肉である「大胸筋」
背中の筋肉「広背筋(こうはいきん)」
肩の筋肉「三角筋
太ももの前の筋肉「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」
お尻の筋肉「大臀筋(だいでんきん)」
ふくらはぎの筋肉「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」
 何から始めてよいか分からない場合は、筋トレの中でも大きな筋肉を鍛えるBIG3ビッグスリー)種目、「スクワット・ベンチプレス・デッドリフト」から始めるとよいでしょう。

スクワット
 大臀筋(お尻)や大腿四頭筋(太もも前)をメインに、ハムストリングス(太もも裏)、脊柱起立筋(背中)の筋肉を鍛えます。

足を肩幅よりやや広めに開く。つま先は軽く外側へ。
胸を張り、軽く腰を反らせながら股関節と膝を曲げていく。膝がつま先よりも前に出ないよう、お尻を後ろに突き出すように意識する。
太ももが床と平行の位置になるまで下ろしたら、元の姿勢に戻る。

ベンチプレス
 大胸筋(胸)をメインに、三角筋(肩)や上腕三頭筋(腕の裏)などを同時に鍛えることができます。バーベルもいいですが、ダンベルのほうが胸の筋肉をより収縮させやすいため、胸や肩の筋肉をより鍛える効果が期待できます。

ベンチに仰向けになる。足は腰幅に開き、足裏を床につける。
肩幅よりやや広めにバーベルを握る。
肩甲骨を寄せて胸を張り、肘を曲げてバーベルを下ろしていく。
バストトップまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻る。

デッドリフト
 脊柱起立筋をメインに、僧帽筋(背中)や、広背筋(背中)、大臀筋(お尻)、ハムストリングス(太もも裏)を鍛えます。

足を肩幅に開いて立ち、つま先は正面に向ける。
股関節と膝を曲げ、両手でバーベルを持つ。
胸を張って背筋を伸ばす。バーベルをカラダの前面(スネや太もも)に沿わせるように持ち上げていく。
再び沿わせながらバーベルをスネの位置まで下ろしていく。

筋肥大しやすい負荷設定で行おう
 筋肉を大きくするためには、負荷設定にも気をつけましょう。筋肥大させるためには、7~10回で限界になるくらいの負荷が適切です。それ以上に重い、もしくは軽いと、筋肥大の効果はあまり期待できません。