糖質制限中の外食は何食べる?

美味しいレストランに行きたいけれど、ダイエットもしたい」
糖質制限をしたいけれど、付き合いは断れない」

そんな方に向けて、ダイエット中や糖質制限中の外食でもおすすめできるお店やメニューの選び方・頼み方・食べ方をまとめました。

糖質とは~糖質制限でダイエットと言われている理由は?
私たち人間の食品の中で「炭水化物」と呼ばれているグループがあります。普段の食事だとご飯やパン、麺、芋類が炭水化物に属します。

その「炭水化物」をさらに細分化すると、「食物繊維」と「糖質」に分かれます。

食物繊維とは人の体の中で消化できない成分で、お通じを良くする、美肌に導く、などと言われています。

糖質は身体を動かすために必要なエネルギー源ですが、摂りすぎると血糖値が急激に上がり、肥満や病気の原因になることもあります。健康や美容の観点でも「糖質量」は意識すべきものとなっています。

外食時の糖質制限で共通して注意すること

どこで何を食べるにしても、糖質制限中には共通して気を付けるべきことがあります。それは以下の5点です。

① 空腹状態で食べない
② 野菜から食べる
③ 時間をかけて食べる
④ お酒やジュースは控える
⑤ 食後に軽く運動する
① 空腹状態で食べない
空腹の状態から一気に食べ始めると、糖質の吸収・血糖値の上昇スピードは速くなります。急激な血糖値の上昇(血糖値スパイク)は健康診断ではみつかりにくいため、血管は高血糖のダメージを受け続けることになってしまうのです。食後に眠気や頭痛を感じたことがあれば要注意です。汁物など軽めのものや水・お茶を先に飲んで、ゆっくり食べ始めましょう。

② 野菜から食べる

「ベジファースト」「カーボラスト」などいろいろな呼び方がありますが、つまりは野菜など食物繊維を多く含むものから食べ始めて、糖質を最後に食べましょう。「空腹状態で食べない」と同様に、急激な血糖値の上昇を予防します。糖質や脂質が低い野菜を最初に食べることで、食べすぎを防ぐ効果もあります。

 ③ 時間をかけて食べる
食べるのが速いと、摂取した栄養の消化や吸収が早くなってしまいます。当然、血糖値の急激な上昇も引き起こします。

「朝食は5分で詰め込む」
「昼食は仕事の合間に急いでかきこむ」

このような習慣は健康にも美容にも良くありません。できれば1口20回ずつ噛むような、ゆっくり味わう時間を持てると健康的です。

 ④ お酒やジュースは控える
食事を控えたかわりに、糖質の高いお酒や甘いジュースで満足感を上げないように気をつけましょう。特にお酒では、ビールや缶酎ハイは糖質がたくさん含まれています。

糖質の少ないお酒は、焼酎やウイスキーハイボール)です。ジュースも甘くないソーダ(炭酸水)であれば炭酸の効果でお腹を膨らませて食べすぎを防ぐことができます。

我慢するばかりではなく、代わりに楽しめるものをみつけて長く続けられる糖質制限こそが成功の秘訣です。

 ⑤ 食後に軽く運動する
「食後はすぐに寝てしまう」
「家ではついゴロゴロしてしまう」

このように食事の後にあまりに動かないでいると、血糖値が下がりにくくなります。すぐに強い負荷の運動をすることは消化不良につながるためおすすめしませんが、食後少し経ってから歩いたりするような意識を持てるとGOODです。

外食シーン別の糖質制限
ここからは、外食のシーン別の糖質制限法を紹介します。「久々の外食を楽しみたい」「どうしても付き合いで断れない」そんなときにご活用いただければ幸いです。

外食シーン①ラーメンの糖質制限

Q.しょうゆ・みそ・とんこつで糖質の量に違いはある?
A. ラーメンのしょうゆ味、みそ味、とんこつ味で、糖質量に大きな違いはありません。

Q.インスタントと生麺で糖質の量に違いはある?
A.糖質が多いのは生麵ですが、インスタントは脂質が高いので、どちらが良いとは言いけれません。

Q.糖質オフ麺は効果ある?
A.自宅で作るなら糖質オフ麺を試してみるのも良いかもしれません。

しかしあくまで筆者の主観ですが、ラーメンの満足感とは別のものであると心得ておいた方が良いでしょう。糖質オフ麺を試すなら、冷やし中華やサラダうどんなど、冷たいサラダ感覚のレシピからチャレンジすることをお勧めします。

結論
ラーメンを食べるならその日の中で糖質摂取量をコントロールしましょう。外食のラーメンで糖質を控えることはできないと考えておくほうが無難です。

外食シーン②焼肉の糖質制限

野菜を最初に&お肉と一緒に食べる
焼肉屋さんでは「野菜盛り合わせ」などを頼むことで、高カロリーなイメージの焼肉を食べる罪悪感を和らげている人もいますよね。

でも、野菜の種類によっては逆にダイエットの真逆になってしまう食材もあります。

NGな高糖質野菜:さつもいも、かぼちゃ、ジャガイモ、とうもろこし、にんじん、たまねぎなど

葉物(サンチュなど)をお肉と一緒に食べるように気をつけましょう。

タレより塩味を選びましょう
タレには砂糖が多く含まれます。

つまり、糖質を一気に摂取してしまうのです。味気がほしい場合はキムチをサイドメニューで注文するのは◎。キムチは100gあたり5.2gで低糖質&低カロリー、ダイエットの味方です。

炭水化物にご注意を
ライス・冷麺・ビビンバ・チャプチェ・トッポギなど炭水化物でできているものはできるだけ控えましょう。どうしても食べたい場合は、同行者とシェアするなど少しでも食べすぎないようにしましょう。

焼きたて熱々のお肉を甘辛いタレにつけて、白いご飯にのせて食べる…が、糖質制限的には最もハイリスクな焼肉の食べ方です。とはいえ、お肉の部位で糖質が特に高いのはレバーだけ。肉の糖質は100gあたり0~0.1g程度と、他の外食メニューと比べると低糖質といえます。食べ方に気を付けて、美味しいお肉ならではの満足感を味わってくださいね。

外食シーン③焼き鳥の糖質制限

焼き鳥は糖質オフの味方
焼き鳥は全般的に糖質は少なめですが、とくにおすすめなのが次のメニューです。

・ささみ
・砂肝
ねぎま
・ハツ
・かわ
・ひな

複数食べるのであればこの中からリピートすると特に糖質が低いです。
テーブルに七味や辛子など調味料があれば、それらを使って味を変えることで飽きずに美味しく楽しめます。ねぎまは半分ネギなのも野菜が取れてよいですよね。

焼き鳥で糖質が多めのメニューは?
A.つくね

お子様から大人まで幅広い年齢から人気があるつくねですが、実は低糖質な焼き鳥のメニューの中で特筆的に糖質が高いのがつくねです。糖質制限をはじめたら、自分で作る以外の外食では、つくねは避けておいた方が安心です。

タレより塩で
焼肉同様に、タレにすると糖質が増えるので、塩味を選ぶのがポイントです。せっかく選ぶメニューに気を付けるのであれば、よっぽどタレにこだわりのあるお店でない限り、塩を中心に頼むと糖質制限的には安心できます。

外食シーン④寿司の糖質制限

お寿司1皿(2貫)の糖質は大体15g
白米ご飯は軽く一杯(一膳)の糖質は約37gなので、お寿司は2皿(4貫)で茶碗1杯分の糖質量に相当します。

最初にお椀・サラダ
洋の東西を問わずコースで最初に汁物が出てくるのは、健康に良い食べ方でもあります。

あおさやワカメのお味噌汁は、海藻の食物繊維で糖質の吸収速度を遅くしてくれる効果も期待できます。

刺身は総じて糖質が少ない
脂質も含めるなら魚よりイカ・タコ・貝のほうがカロリーは控えめです。

お寿司屋さんで注意すべきメニューは?
A. 巻物・いなり寿司はご飯の量が多いので注意しましょう。

どうしても食べたい場合は、同行者とシェアするなり、他のメニューや翌日の食事でバランスをとるようにすると良いでしょう。

甘い卵焼きも糖質が高い
糖質量を意識するのであれば、お刺身や一品料理でお腹を満たして、最後に軽くお寿司をつまむ感覚がベストです。

さらにお寿司を頼むときは、「シャリ(ご飯)少な目で」などと一言添えるとご飯の量を減らせることもあります。

外食シーン⑤そば・うどんの糖質制限

そばとうどんはどちらの方が糖質制限時に向いているのでしょうか。

糖質量はうどんよりそばの方が多い
ヘルシーなイメージのあるそばですが、実は糖質量に関してはうどんよりも多いです。

しかし、食後血糖値の上昇速度はうどんの方早い
製粉されたまっしろな小麦粉を使っているうどんは吸収速度が速いため、食後血糖値の上昇速度も速くなります。

タンパク質はそばが多い 
とくにそば粉の割合の高い八割蕎麦・十割そばではその傾向が高くなります。糖質の吸収速度が遅く、タンパク量が多いことが「そばの方がヘルシー」と言われる理由です。

●糖質量
そば>うどん
●血糖値の上昇速度
うどん>そば
●タンパク質量
そば>うどん
結論:糖質制限なら「そば」がおすすめ
糖質の量だけで見るとうどんのほうが少ないですが、全体としてはやはりそばのほうが糖質制限には向いています。できればそばから食べ始めるのでなく、そばの前に煮物やおひたしなど、野菜やたんぱく質を先にと食べると良いですね。

生麺と乾麺だと乾麵の方が糖質は少ない
ラーメンの項目でもインスタントラーメンより生麺のほうが糖質は高いことに言及しましたが、そば・うどんに関しても乾麺のほうが糖質は高いです。

外食シーン⑥牛丼の糖質制限

牛丼の肉・具について
甘辛く煮た味は牛丼の定番ですが、それがまさに糖質です。 また、牛丼の味を支える玉ねぎも野菜のなかでは糖質が多い部類です

チーズやたまごをトッピングすると糖質の吸収がおだやかになるとも言われているので、タンパク質の摂取量を増やす目的でもトッピングはありかもしれません。

牛丼のごはんについて
各チェーン店で展開している「牛丼サラダ」「牛丼ライト」等はごはんではなく豆腐やサラダの上に牛肉などの具材が乗っています。糖質制限中はこういったメニューがおすすめです。

そこまでしたら牛丼じゃない!と思う人は「ご飯少な目」で注文する代わりにサイドメニューでサラダやお味噌汁を頼んでみてはいかがでしょうか。

牛丼の汁について
甘辛い汁が人気で「つゆだく」にする方もいますが、そのつゆには糖分がたくさん含まれています。糖質制限中は、「つゆだく」は我慢しましょう。

味噌汁・サラダを先に食べる
汁物や野菜を先にお腹に入れることで、糖質の吸収を穏やかにできます。ただしドレッシングのかけすぎには注意してください。

 外食シーン⑦ハンバーガーの糖質制限

バンズ(パン)について
レタスなど葉物野菜に変更できるお店では、バンズ(パン)ではなく葉物に変えるのがベストです。バンズの種類を選べるお店では、白っぽいバンズと茶色っぽいバンズがあれば茶色っぽい方を選びましょう。製粉されている(=白くなる)ほど糖質の割合が高まります。全粒粉などあまり製粉されていない(=茶色っぽい)ほうが、食後の血糖値の上昇は緩やかになります。

具材について
てりやき味など甘辛い味が想像できるものは、味付けにも糖質がたくさん含まれていることが予想できます。竜田揚げや、~フライなどの揚げ物も、脂質だけでなく衣に含まれる糖質を考えると避けたほうが安心です。

ハンバーグやベーコン、チーズだけでなく、トマトやレタスをはさんでいる具材を選ぶと健康的です。

外食シーン⑧しゃぶしゃぶの糖質制限

野菜とお肉をたくさん食べられて、しかも茹でることで油を落とすことができるしゃぶしゃぶはダイエットの強い味方。野菜を食べることで食物繊維もたくさん摂取できますね。

 しゃぶしゃぶの要注意具材はマロニー・春雨
透明なのでローカロリーだと思われがちな春雨、マロニーも澱粉が主体のため糖質は高いです。気を付けてください。締めの雑炊、うどん、中華麺など炭水化物は、お分かりかとは思いますが糖質が多いのでご注意ください。

糖質制限中の外食にステーキはおすすめ

肉・魚・大豆製品などタンパク質は基本的に糖質が少ないので、糖質制限ダイエットの強い味方です。レバー以外はどの部位でも糖質は少ないです。レバーだけは注意して、食べすぎを避けたほうがいいでしょう。

 ステーキの部位で糖質量の違いはある?
肉の部位はどこでも糖質量に大きな違いはありません。 糖質制限でダイエットをしたいという目的であれば、脂質の少ないフィレを選ぶとよいでしょう。反対にサーロインや霜降り肉は脂質が多いので気をつけたいところです。

 ステーキのサイドメニューで糖質に気を付けるポイントは?
ステーキは糖質制限中でも安心のお店ですが、サイドメニューでとうもろこし、人参、じゃがいもに気を付けましょう。ステーキソースも控えめに、塩コショウでお肉を味わえるお店だと更にGoodです。

糖質制限中の外食にフライドポテト、フライドチキンは避けたい

フライドポテトを避けたい理由
糖質の多い芋をさらに油で揚げるフライドポテトは糖質制限には向いていません。フライドポテトを食べるときはラーメンなどと同様に、その日一日もしくは前後数日のの糖質摂取量でコントロールするように気を付けて、楽しんで食べるのがベストでしょう。またケチャップは糖質が多いので、できれば塩で味付けして素材そのものの味を楽しむのがベストです。

フライドチキンもNG
チキンはタンパク量が多くダイエットの味方と言われていますが、フライドチキンは別物です。衣(糖質)をつけて油(脂質)で揚げているので、ダイエット向きのメニューではありません。

糖質制限中におすすめのコンビニ食品

レストランや居酒屋ではなくてもコンビニで買ってすぐに食べたいときもありますよね。糖質制限中の方がコンビニを利用する上でのポイントを紹介します。

サラダチキンはおすすめ
糖質制限と言えばサラダチキン」と言っても過言ではないほど定番商品となっています。

サラダチキンは鶏の胸肉を蒸して味付けした商品です。脂質や糖質が少なく、腹持ちがいいとも言われていますね。調理済みなのでお湯を入れたり混ぜたり待つことなく、開封してすぐに食べられることや、味のバリエーションが豊富にあることも人気の理由です。健康維持や美容のためにも大切な栄養源であるタンパク源が豊富な点もGoodです。

ゆでたまご糖質制限中の強い味方
たまごは完全栄養食とも言われ、多くの栄養素を含むとともに低糖質・低脂質で糖質制限もサポートしてくれる食材です。コンビニでは、味付きで真空パックされたゆでたまごも売っているので殻をむく手間もありません。

パンはロカボ(ローカーボ)系がおすすめ

「パン=糖質制限の敵!」というイメージが強いですが、パンが大好きな方も無理せず糖質制限に取り組めるように、コンビニ各社ではロカボ(ローカーボ)系パンの品ぞろえも増えています。

「ブラン」「低糖質」「ロカボ」などの言葉が書いてある商品は、同じようなパンと比べて糖質量が低いです。やや割高な商品もありますが、健康に良い点を差し引いても美味しいと思えるパンが多いです。

どうしてもパンが食べたい方は、ロカボ(ローカーボ)系の低糖質パンを選んでみてくださいね。

「春雨=ダイエット向け」は古い??
春雨=ダイエットのイメージが強い食品ですが、それはダイエット=カロリー管理という捉え方オンリーだった時代の印象です。「糖質制限」という概念ができてからは、春雨は糖質が高いので必ずしもダイエットに向いているとは言えません。コンビニで春雨スープを購入される方は多いですが、あくまで麺類と考えるようにした方が糖質制限の観点では安心です。

レジ横の商品は糖質が高め
肉まんや揚げ物などのレジ横の商品(ホットスナック)は基本的に糖質と脂質が高めです。買ってすぐに食べられる利便性、季節ごとに商品が変わる楽しみはありますが、糖質制限中はできれば控えたほうがいいでしょう。

野菜ジュースには要注意

コンビニで甘いものやカロリーの高いものを食べる罪悪感を打ち消すために、「野菜ジュースでプラマイゼロ!」などと言い聞かせている方もいるのではないでしょうか。しかし、野菜ジュースは非常に糖質が多い飲み物です。なぜなら、野菜を飲みやすくするために糖質が加えられているからです。できれば「糖質オフ」と書いてあるような、少しでも糖質が控えめの商品を選びましょう。