ミニ盆栽

ミニチュアの手乗り盆栽があることをご存じですか?定番の黒松や五葉松のほかにも、桜やもみじなど、いろいろな種類の植物が人気を博しています。

 

ミニ盆栽の選び方

① 置く場所の日当たりに合わせて植物を決めよう

ミニ盆栽を置く場所の日当たりや風通しの良しあしで、育てる植物を選びましょう。植物によって必要な日当たりは異なりますが、風通しのよさはほとんどの植物にとって必須条件です。風通しが悪ければ葉の間に熱や湿気がこもって病気の原因になります。盆栽の定番である松は日当たりの悪い場所は避けたほうが無難。


一方で、桜やカエデは日陰でも成長できるので日当たりの悪い部屋でもおすすめです。ただし、花物の場合は年中日陰がちだと、翌年の花芽がつきにくくなるケースも。たとえ日陰で生育できる植物でも、できるだけ窓際や玄関先などの、日当たりと風通しがよい場所に置きましょう。
② インテリアや好みに合わせて種類を選ぼう
盆栽には定番の松柏盆栽のほかにも、葉物盆栽・花物盆栽・実物盆栽などがあります。本格的な趣のある盆栽から、かわいくカジュアルな盆栽まで、インテリアや好みに合わせて種類を選びましょう。

盆栽初心者にぴったりなのが、黒松や五葉松などの常緑針葉樹を使用した松柏(しょうはく)盆栽。見た目は本格派ですが、環境変化に強く丈夫で育てやすいため初心者にもおすすめです。


また、1年を通して見た目の変化が少なく、インテリアとして一定の安定感があるのも魅力。剪定を行えば同じ樹木でも見た目が変わり、好みの形へアレンジも可能です。

松柏盆栽と同じく盆栽初心者でも比較的育てやすいのが榎(えのき)・楓(かえで)・欅(けやき)などの花をつけない葉物盆栽。剪定や葉刈りが必要となりますが、樹木自体は丈夫なものが多く管理しやすいという特徴があります。


加えて、新芽や新緑、紅葉など季節に合わせて変化を楽しめるのも葉物盆栽の醍醐味。落ち着いた雰囲気の盆栽を楽しみたい人は、松柏盆栽だけでなく葉物盆栽もおすすめですよ。
花や香りも楽しめて洋風の雰囲気にもマッチする花物盆栽
 

盆栽をカジュアルに楽しむなら、洋風のインテリアにもマッチする花物盆栽がおすすめです。盆栽は枝の形や葉の色だけを楽しむものとは限りません。藤や百日紅さるすべり)などの花が咲けば、部屋も華やぐでしょう。花には、1年に1回だけ咲く種類と、1年を通して何度も花が咲く種類があります。


さらに、花物盆栽のなかには梅や金木犀(きんもくせい)などの香りを楽しめる種類も。ほんのりとただよう花の香りに気分が癒されてリラックスできるでしょう。

季節の変化を楽しみたいなら、実をつけて成長の過程を観察できる実物(みもの)盆栽がおすすめです。姫リンゴ・花梨・柿などがあり、木や葉の緑や茶色に加え、色鮮やかな実の色がワンポイントとなってインテリアのアクセントになります。


さらに、育った実を収穫できるのも実物盆栽の大きな魅力。柚子やレモンなどの種類であれば、収穫して料理にも活用できます。ただし、市販の実より味が落ちる場合が多い点にはご注意ください。
③ 四季の変化や手入れの手間を考えて常緑樹か落葉樹かを決めよう

盆栽に植える植物は常緑樹と落葉樹の2種類。楽しみ方や手入れの手間を考えて選びましょう。松やくちなしなどの常緑樹は1年を通して雰囲気が変わらず、落ち葉の処理の手間も省けるのが特徴。部屋の雰囲気を一定に保ちたい人や手入れの手間を減らしたい人におすすめです。


一方で、季節の移り変わりを楽しみたい人は落葉樹がぴったり。もみじや欅などの落葉樹は四季によって見た目が変わり、時の流れを感じられるのが魅力です。ただし、落葉樹のなかには秋冬の変化が少ない種類もあるため、樹木の変化を楽しみたい人は事前に品種について調べておきましょう。
④ 理想の育て方に合わせて樹木の成長度合いを選択しよう
盆栽の樹木は、種や苗から育てるものもあれば、ある程度成長した段階から育てるものもあります。育てやすさや好みから選びましょう。

ミニ盆栽を愛着を持って育てたいなら種や苗から育ててみましょう。タネから育てることを「実生」と呼びます。松や桜などの樹種のなかには、種や苗・鉢・培養土などが一緒になった栽培キットが販売されているものもあり、個別に購入せずに始められるので手間もかかりません。


反面、種や苗から育てるには時間がかかるうえに難易度も高い点は注意してください。ある程度盆栽の経験がある人がチャレンジするのがよいでしょう。
ある程度成長した樹木は成長を待つ手間がかからないため、育てる手間を省きたい人におすすめ。改作や剪定にもすぐに取り掛かれるので、自分好みに手入れをするのを楽しみたい人にも向いています。
ただし、一から自分で育てるわけではないので、ある程度形が決まったもののなかから選ぶことになります。改作を行うなら枝や葉の数が多めに仕立てられた樹木を選びましょう。