人に認められようと思って、無理に自分を作らない

人は、誰かに認められたいものだ。

人間が社会的な存在である以上、多くの人にとってそれは自然な欲求であるはず。


人から認められると、自分の意見がもっと真剣に受け止められるようになる。
そのぶん、自分の影響力も増し、チームや組織の中でもさらに活躍できるようになる。

自分の本当の価値を発揮するためには、まずはまわりから「1人前」だと認められることがその第一歩だ。

しかし、他者に認められたいと考えるあまりに、自分を過度に大きく見せたり、無理をして過剰に作ってしまう人がいる。

そしてこの傾向は、SNS社会においてより顕著になってきている。自分の経歴をあからさまに盛ってしまったり、他人に対していつも勝とうとしたり。

こうしたふるまいが行きすぎるとそれは逆効果となり、まわりからは不誠実な人間だと映ってしまう。そうなると、人から認められるどころか、逆に誰からも相手にされなくなってしまうだろう。

人から認められるために大切なのは、まず「自分自身に正直」であること。

自分を大きく見せようとするのではなく、他者と強い信頼関係を築く努力をすることだ。それは、表面上のスペックなどではなく、人として本当に交流する価値があると思ってもらうこと。そういう関係にこそ、本当の意味があるはずだ。

そのような関係性を構築するには、いったいどうすればいいのだろうか?

 

まずは自分から、他者を認めること
人から認められようとするあまり、「いつも自分ファースト」になることがないように戒めよう。

四六時中、「自分が、自分が」とアピールするような人はまわりにいないだろうか?

そのような人は、うるさい人だと思われて他人から距離を置かれてしまう。完全に逆効果だ。そうではなく、まずは自分のほうから積極的に他人に関心を持ち、認めようとすること。

そういう姿勢が大切だ。

他人の立場になってみて、「今の関心事はなんだろうか?」「何に刺激を感じているだろうか?」「どんな不安を持っているだろうか?」などを想像してみる。

他人に対する好奇心を強く持つことは、自分と相手の間に、これまでよりも強いつながりを構築することにつながる。

自分を認めてくれる他者は、自分も積極的に認めたくなる。それが人間関係の大原則だ。

だから、いつも自分が先ではなく、相手のことを優先するという気持ちで。フラットな姿 勢を持ち、心をオープンにする。

「あなたのことを知りたい」という気持ちが相手に伝われば、 相手も自然に自分の話を受け入れ、興味を持ってくれるようになる。人から認められるには、この順番が大切だ。

 

他人の意見やフィードバックを素直に受け入れる
人からもらった評価が、自分の持つ理想やセルフイメージと違った場合、それを素直に受け入れるのはなかなか難しいことだ。

しかし、他者が自分にどのような印象を持っているかを積極的に知ろうとし、それを正面から受け止め、そこから学ぼうとする姿勢はとても大切だ。

自分を客観的に見られる勇気と力のある人が、より良い自分になるために適切に軌道修正し、自分の中のバランスをうまく育てることができる。

その結果として、人からの信頼を獲得しやすくなるのだ。

そのためには、人に、自分に対する意見を積極的に求めてもいい。「自分に改善できるところがあるとすればどこか」ということを、信頼できる人に聞いてみればいいのだ。

その質問、そして改善を重ねることにより、より理想とする人間像に近づける。さらに重要なのが、他人の意見を素直に聞けるという姿勢そのものが、相手から信頼と好感を持たれるということだ。

 

自分に誠実であることを大切にする
しかし一方で、人に気に入られようとして、間違っていると思うことにも無条件に賛同していると、結果的に心からの信頼を得ることはできない。それは相手に対して単なるイエスマンになるだけで、重宝はされているようでも、本当に重要な存在にはなっていないのだ。

人は、相手に対して誠実であろうと決心すると、多少の摩擦をも覚悟し、率直に本心を伝えようとするもの。短期的には、その相手との関係が気まずくなってしまうことがある かもしれない。

しかし長い目で見ると、そういう真摯な姿勢こそが、人から本当に認められるための大事な要素になる。単に表面的に仲がいいことと、相手を心から信頼するということはまったく違うのだ。

相手の立場に配慮しながらも、自分に誠実であること。
そして本当に相手のためになる行動をすること。

その姿勢こそが、人から真の信頼を得るためにとても大切だ。

 

 

この記事は、アースメディア代表 松本 淳 著 『リクルートに会社を売った男が教える仕事で伸びる50のルール』(フォレスト出版)からの一部抜粋です。